無事、生きて帰ってこれました。
お盆休みを取らずにギリギリまで色々と作業をして、その後ちょいと強引に遅めの休みをとって、カナダのユーコン川にて、217kmの距離をカヌーで下りながら旅をするという生活をしてきました。先輩と男2人で約一週間の船旅でした。
ガイドを付けるツアーもあるのですが、日が合わなかったりして自分たち2人だけで行く事に。。つたない英語で現地のショップに連絡し、カヌーやテント、タープ、バーナー、食器、ベアスプレー、ウォータープルーフバッグ等のレンタルを予約しておきました。
ユーコン川は、カナダとアラスカの国境にまたがっている川で、全長3,700km程あります。今回はその上流部の、カナダのユーコン準州の準州都であるWhitehorseからCarmacksまでの217kmを下りました。ユーコン準州は面積が日本の1.2〜3倍あるにも関わらず、人口は3万人しかいません。その70%がWhitehorseに暮らしています。
スタート地点であるWhitehorseからゴール地点のCarmacksまでの間に街は一切なく、もちろん、電気、ガス、水道等のインフラはありません。もちろん都中で店がある訳もなく、食料はすべて最初に買うか、自然の中で現地調達です。気温は5℃〜20℃位で、夜になるとそこそこ寒く、川の水はそれなりに冷たいです。カヌーで沈(転覆)した場合、5分以内に岸に着かないと低体温症で死ぬらしいです。
この旅で想定される主なリスクは熊と沈による死。神経質になることはないですが、無理をしてはいけないし、川のどの部分が危ないか・・等の情報はしっかり手に入れておく必要がありました。
場所はこのあたり。
大きな地図で見る
1日目から順に辿っていくのも良いですが、長くなりそうなので別の機会に。今回の旅の記録用にブログを1つ作ってやろうかとも思ってます(笑)
[準備]
1日目は昼にWhitehorseの街でひたすら買い出し。長靴やライターなどの小物や地図(重要!)、食料(重要!)を買ったりしました。人口2万人強位の街の割に、案外何でもありました。スタバやマクドナルド、大きなホームセンターやWAL MARTまでありました。
ホームセンターではライフルとかショットガンとかも売っているのです・・。約3万円から。安い(笑)ユーコンの旅には熊対策や食料調達用にこの類のブツを持って行く人も多いらしいです。。え、もしかしたら必要なのかな・・?
時間的な余裕はそれなりにあると思っていたのですが、案外バタバタしてしまい、食料の購入が間に合わず・・(笑)それなりの量は買ったので食べていけることは予想できたけど、食材のバラエティの不足感は否めない感じでした。いきなりの打撃。
[出発]
あらかじめメールでやり取りして予約しておいたカヌーレンタルの店の人と宿泊先の前で待ち合わせをすることになっていたので、宿泊先であるBackpacker's的な宿(一泊2人で5,000円位也)へ買い込んだ荷物を持ってギリギリの到着。その後Fishing licenseと酒の買い出しに連れて行ってもらい、水上飛行機の乗り場へ移動。
こんな感じの飛行機。なんかかっこいい!乗るときはヘッドフォン(インカム)をして乗る。
こんなの日本でチャーターしたらものすごいお金がかかるんだろうけど、この辺りでは車に乗るのと同じような感覚で(それは言い過ぎだと思うけど)飛行機に乗るらしい・・おもしろい。
この飛行機で飛んで湖を超え、スタート地点であるLower Labageへ。1日目はスタート地点でテントを張り、そこで1泊。カヌーの旅は2日目からにしました。
水上飛行機から見えるWhitehorseの街。さらばWhitehorse。
これに乗っただけでも貴重な体験だったかも。動画も撮ってYouTubeに上げてみました↓動画撮ってたらちょっと酔った(笑)
なかなかの角度で旋回。これは酔う訳だ。。
[カヌーの旅]
川の流れのスピードもありますし、217kmを漕ぐということ自体はそこまで大変なことだとは思っていなかったのですが、逆風があんなに吹くとは思っていませんでした(笑)毎日のように筋肉痛(´Å`)
2、3、4日目にそれぞれ約50kmを漕ぎ、5日目に約40km、6日目は連泊し、最終日に残りの距離を漕ぎました。
旅を共にしたカヌーやテント等。
これで夜10時頃。。日が長い長い。
現地で釣り上げて調達した食料達(さばいた後の図)。
串だって現地で作ってやりましたよ。原始人か俺は。。
[オーロラと星]
ユーコンの辺りはイエローナイフとかにも近く、オーロラの観測地でもあります。オーロラを観るためにシートの上で寝ながら夜空を眺めていたのですが、今までにあんなに奇麗な星空を見たことはありませんでした。流星群かと思う程頻繁に流れ星が見えました。
オーロラ的な物も見えたような見えていないような・・写真みたいなオーロラは、やはり冬に見に行かないとなかなか難しいみたいです。何か空が変な感じの光り方はしていたのですが・・ちょっと残念。でもあの星を観られただけでも来た価値があるかも。
[野生動物]
グリズリーベアや熊の生息地ということで、もちろん森の中には熊がいます。ある日森の中、熊さんに出会ったとか呑気に言ってられるような状況ではありません。こちらは生き残らなければなりません。熊は体長約250cm、体重約250kg、50km/hで走れるし、木も登れれば泳ぐ事もできます。基本的に遭遇しても熊の方から人間を避けるらしいのですが、まともに戦ったら勝ち目はありません。
ということで、色々と熊対策が必要なのです。
〜実行した熊対策〜
・熊撃退用のベアスプレー携帯
・熊鈴を携帯
・ありとあらゆる食品は密封容器へまとめて入れて隔離
・匂いのするもの(シャンプー、歯磨き粉、日焼け止め等)はテント内へは持ち込まない
・匂いが残っているゴミは燃やす(これはプラスチックだから・・とかいう問題ではない。缶だって焼く事が推奨されている。もちろん環境に考慮して、できるだけ工夫することが重要。)
このような対策の甲斐もあり、熊に遭遇することはありませんでした。残念ながら、ムースとかの他の大型動物にも全く会いませんでした。
しかし、小型の動物は何回も見ました。リスや兎、鷹とか。あと、何と行ってもビーバー。川の中にいきなり潜ったり川の中からいきなり出て来たり・・警戒心が強くて少しでも音を立てると潜ってどっかへ行ってしまい、写真を撮れなかったのが残念。。
とにかくリスはたくさんいました。鳴き声がしょっちゅう聞こえました。。
あ、目が合った!
[ゴールドラッシュ]
ユーコンはゴールドラッシュの時代に金を求めて多くの人がやってきた場所で、今でもその名残があります。古い船があったり、小屋があったりしました。あと、原住民のインディアンの方の(?)小屋とかもありました。
ごーる!
Carmacksにはきれいなキャンプ場があって、そこがゴール。ここで待ち合わせて車に乗せてもらってWhitehorseまで帰りました。
まぁこんな感じで、それなりにダイナミックな自然の旅をしてきました。やってしまえば案外簡単だったね、という話ですが、経験しないと分からないものです。貴重な体験をしました。お勧めです(行く人は熊に気をつけてね!)。
4 件のコメント:
すげーすげー!
おもしろそう!!
体力のあるうちに一度経験したいものだなー.
大自然のキレイな写真がいっぱいで見るだけで満足しちゃったよ。実際に体験したら、どんなもんなのか…想像できません。
ともあれ、熊に遭遇せず、無事帰ってこられてよかったねー。
>ぐらっちぇさん
うん、是非経験してみて♪
おもしろかったよ。
でも川の流れに身を任せながらゆっくり行けば、
過酷な旅ではないですよ。
>Genkiさん
うん、確かに経験しないと分からない部分が多いのかもしれない。
少しずつ自然に慣れて行く感じとか、信じられないような星空とか。。
熊は調べれば調べる程心配になったけど、遭遇しなくて本当によかった・・。
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